音楽のレッスン
The music lesson
バッキンガム宮殿
ウィンザー城(ロンドン)
英国王室コレクション


1662年
74×64.6cm


この作品を3Dで観ると…
奥行きが深く、縦と横のラインから成り立っているような絵です。
天井から始まる横のラインは画中画、エピネット、手前のテーブルそして床へ。
縦のラインも左から窓、梁」、エピネットの脚、画中画、女性、椅子、男性、そして白い壺へ。
それらを繋ぎ合わせるような床の白黒のタイル。

ところでこの描かれた二人はどのような関係なのでしょう。
男性は音楽の先生でしょうか?それとも訪れた恋人でしょうか?それとも・・・
あまりに二人が直立不動で立っているせいもあってあまり「物語」が伝わってきません。
縦横のラインに囲まれている所為か、二人の感情が伝わって来ませんね。
それを補うかのようにフェルメールは女性の弾いている楽器ヴァージナル(エピネット)の蓋に
こんな格言を書き込んでいます。
『音楽は喜びの友(伴侶)、苦しみ(悲しみ)の薬』と。
さて、これはどのような意味があるのでしょう?以下は喜多尾氏の著書からの引用です。
「音楽の陶酔作用はエロスを超え、精神的な浄化作用に接近していることを物語っている。
しれはただたんに美的な陶酔を呼びさますだけではなく、精神上のにがい苦しみを
治癒する力をもっている。このふたりには音楽がよろこびであると同時に、
苦痛の治癒をともなっているのだろうか。」(講談社「フェルメール」)

メツーの作品と見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
 Gabriel Metsu(1629-1667)Man and Woman Sitting at the Virginal 1658

さて、細部に目を転じてみると、ヴァージナルの前に鏡がかかっています。
そしてその鏡には女性の姿が当然うつっています。これだけなら別段問題ありませんが
よーーく見てみるとうつるはずないイーゼルの脚が描かれています。

これは有名なファン・エイクの「アルノルフィニ夫婦像」や
ベラスケスの「ラス・メニーナス」でも使われているトロンプ・ルイユの用法です。


                 
Van Eyck, Jan(1390-1441)The betrothal of the Arnolfini 1434 National Gallery, London

                
VELAZQUEZ, Diego(1599-1660)Las Meninas 1656 Museo del Prado, Madrid

この作品はロンドンで観ることが出来ます。
ただ、何度もロンドンに行っているにもかかわらず一度も観ていません(観られていません)
どうも巡り合わせが良くないようです。
前回も一日違いで「すれ違い」ました。
フェルメールの作品でまだ観たことないのは、この作品とやはりイギリスにある
「手紙を書く女と召使」です。イギリス鬼門?!


3Dのページは「OLDCITY's3D CG Vermeer」様からのリンクです。
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