地理学者
The Geographer
フランクフルト(ドイツ)
シュテーデル美術研究所


1669年
52×45.5cm


この作品を3Dで観ると…
数えてみました。フェルメールの描いた男女の比率。(風景画は除きました)
男女比どれくらいだと思われますか。当然女性の方が多いのは分かっていますが・・・・・・
・・・・・・女性40人に対して男性はたったの13人です。(数え間違っていたらスミマセン)
しかもその中で男性の単身像はこの「地理学者」と「天文学者」の僅か2枚しかありません。
女性の単身像が16枚あるのと比較するとあまりに少ない数です。
(現在はその存在が判明していませんが、記録には「手を洗う男」「画家の自画像」「画室の画家」の
3枚の男性を描いたと思われる作品が描かれたとあります。)
その貴重な?男性単身像はどちらも当時の最新の科学に携わる学者の姿を描いています。
それまで神の領域とされ研究すること自体、不遜なものとされてきた領域に大きな変動が
訪れた時代がこうした作品をフェルメールに描かせたのでしょう。

ガウンのような服を羽織り、左手を机につき身体を支え、右手にコンパスを持っています。
机に広げられた広げられているのは大きな海図でしょうか。
でも学者の視線はその海図ではなく窓の外に向けられています。
何かを考えているいる様子ですね。それとも一息ついているところでしょうか。
レンブラントの「ファウスト博士」という版画にも同じような作品があります。
これと見比べていると「光」に目がいきます。フェルメールの作品も学者の顔に光があたっています。
「光」が何かを学者に光明も見出したのかもしれません。
(窓際に丸めて置かれた海図を通す光の表現見事です。


 Rembrandt(1606-1669) Faust c.1652 Etching(銅版画)

後ろの棚の上には地球儀が数冊の本と共に置かれています。地図もかけられています。
床には大きな本や海図?が無造作に置かれています。
いつもは女性が手紙を書いていたり、着飾っていたりした部屋がこの作品では
学者の研究室に変身しています。単に男女が入れ替わっただけでなく
部屋の持つ意味まで入れ替わっているのが見所の一つかもしれません。

ここで一句。「草の戸も住替る代ぞひなの家」芭蕉。

この作品は大阪で平成12年に開催された「フェルメールとその時代」展で観ました。
画像では観ることのできない学者の左手前にある絨毯に描かれた光の点描と
インド洋が此方を向いている地球儀にキラリと光る光の反射が目にとまりました。

          

この地理学者のモデルとされる、アントニー・ファン・レーウェンフークについては
    
「天文学者」のページに書きます。


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