ヴァージナルの前に立つ女
A lady standing at the virginals
ロンドン(イギリス)
ナショナル・ギャラリー


1673年頃
51.8×45.2cm


この作品を3Dで観ると…
音楽(楽器)に関しては全くの無知に等しいのでヴァージナルについて2,3の本で調べてみました。

ヴァージナルは長方形の箱の中に、弦が鍵盤に対して斜めに張られているもので、
この弦はとげで弾かれました。この楽器は脚のついていないものもあり、
それらは台の上に置いて演奏されました。
ヴァージナルという名前の由来については、この楽器を愛した処女(ヴァージン)の
王女エリザベスT世にちなんでつけられました。
またこの他にもたくさんの説があります。その中でも一番真実性のあるものは、
棒とかジャックを意味するラテン語ヴァルガから取られたという説です。
もしこの楽器が現代に生きていたなら、小さな家やアパートに住む人にとって
最適な楽器となったことでしょう。形が小さく愛らしく、音色も細やかで大きな音が出ないため、
気がねなく楽しむことができるからです。
同じような形の楽器でチェンバロ、クラヴィコード、エピネット等それぞれの国で作られました。
その中でチェンバロだけは現代に生き返り、今日では、バロック時代の名曲に用いられるだけでなく、
現代音楽にも活躍する楽器として活躍しています

「楽器の種類としくみ」リブリオ出版

ヴァージナル(virginal)は原則として、四角い長方形のテーブル型に造られる。
普通のチェンバロは鍵盤並びの左右面に弦が張られている。
しかし、その他にもいろいろな思い思いの形のヴァージナルがあって、それは要するに、
この楽器がそれだけ需要が多かったこと、異なった用途と要望に答えて造ったものなのである。

「ピアノの歴史」 音楽之友社

聖徳大学人文学部音楽文化学科教授の坂崎紀先生のサイトに「フェルメールの描いたヴァージナル」という
ページがあります。実際のヴァージナルの写真や解説も載っていて大変参考になります。
坂崎先生のサイトはこちら

女性が立っているヴァージナルの蓋に描いてある絵はこちらです。
(後ろの壁にかかる画中画も右端が似ていますね。)

Pieter Anthonisz van Groenewegen (ca.1600- 1658) Mountain Landscape with Travelers 1640

この絵は1998(平成10年)8月ロンドン・ナショナルギャラリーで観ました。こちら
また、2001年3月にNYメトロポリタン美術館で開催された
「Vermeer & the Delft school」(フェルメールとデルフト派」展)でも再度観ました。
そして2003年2月ー5月にスペインプラド美術館で開催された
「Vermeer y el interior holandes」(「Vermeer and the Dutch Interior」)で3回目の再会を果たしました。

「ヴァージナルの前に立つ女」のスカートもキラキラ感があってとても綺麗ですが
テルボルヒが描いたこのサテンの輝きはいつも凄いなーーと感心してしまいます。
            
Gerard Terborch(1617-1681) Paternal Admonition 1654-55 Staatliche Museen, Berlin

同じ「ヴァージナルの前に立つ女」ですが、こちらは後姿。これまた綺麗な作品ですね。
 
Jacob Ochtervelt(1634-1682) A Woman playing a Virginal 1675-80 National Gallery, London, UK


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