小路
The little street
アムステルダム(オランダ)
国立美術館


1958年頃
53.5×43.5cm


この作品を3Dで観ると…
フェルメールの描いた風景画は「デルフトの眺望」とこの「小路」の2点しか存在していません。
それ故、特別に見られがちな作品でもあります。
フェルメールの家の窓から見た向かいの養老院を描いたものという説もありますが定かではありません

ただ唯一確かなのはフェルメールが暮らしていた街・デルフトを描いたということです。
これだけは間違いないと思われます。
風景(建物)をただ漫然と描いたのではなくそこに生活する人々の様子を丹念に描きこんでいます。
真ん中奥に立っている女性は白い消毒用の石灰を撒いているところだそうです。
建物の入口ではお婆さんがせっせと縫い物をしています。
そして道端でしゃがんであそぶ二人の子供。
大部分を建物が占めている絵ですが、それでも街の香りは観る者まで伝わってきます。

いつも比較してしまって悪いのですが、同じ時代のピーテル・デ・ホーホの同種の作品と比べてしまうと。。。

      
Pieter de Hooch (1629-84) The Courtyard of a House in Delft, National Gallery, London


                                      
Pieter de Hooch (1629-84) Three Women and a Man in a Courtyard behind a House, Rijksmuseum

1998年7月にオランダ、マウリッツハウス美術館で観ました。(こちら
また、2001年3月にNYメトロポリタン美術館で開催された
「Vermeer & the Delft school」(フェルメールとデルフト派」展)で観ました。
アムステルダムの街中で今でも多く残るこのようなレンガ造りの建物を見た後に
美術館にてこの「小路」をみたらデジャブに襲われる感覚に遇いました。
日本では街中に1600年代の建物が残っているなど到底考えられないことですが
石の文化のヨーロッパではそれが至極当然の事なのだと改めて思い知らされた一枚です。

建物のファザードの一番上(中心)にある金属製のフックもオランダ名物の一つです。
入口や階段の幅が狭い為、大きい荷物を出し入れする時は、このフックに滑車を利用して
ロープで引っ掛けて荷物を上階まで上げて窓から搬入するそうです。

【オランダこぼれ話し】
カナルハウスと呼ばれているレンガ造の背の高い家が運河沿いに建っている。
さまざまな意匠に彩られた切妻屋根、狭い間口が特徴。
(間口の広さでその昔税率が違った為狭いとか?!)
16〜17世紀に建てられた凝ったファサード(装飾)の建物は、アムステルダムの顔となっている。
木の家はほとんどなく、レンガか石造りのものがほとんど。(火災防止の為今は建てられない)
フェルメールの「小路」に描かれている家を思い出してもらえば丁度良いかもしれない。
家の一番上にフックのような金具が付いている。
土地の狭いオランダならではの物で、入口や階段の幅が狭い為、大きい荷物を出し入れする時は、
このフックに滑車を利用してロープで引っ掛けて利用する。
このカナルハウスは一軒一軒に特徴があり、観ていて飽きない。
実際カルナハウスだけを写した本やポスターが街中で売られていた。
また、運河に浮かぶ「ボートハウス」もアムステルダム名物の一つ。



3Dのページは「OLDCITY's3D CG Vermeer」様からのリンクです。
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